忍者ブログ

神楽坂雲如の妄想図書館

日々の妄想を書き綴った笑いと狂気のブログです。 妄想ですので本気にしないでください。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

汚リンピック

某国の「殿下」がオリンピックのテレビ中継を見ている。
殿下の表情が険しい。
手にしたブランデーグラスが震えている。
テレビには、敗れた某国の選手のうなだれた姿が映っている。
殿下は叫んだ。
「大臣を呼べ!」

テレビで下品な放言を吐いている日本の元国会議員に似た、すんぐりむっくりとした大臣が、平身低頭でやってきた。
殿下は大臣を睨みつけて言った。

「我が国はかつては貧しかった。国民の大半が飢えていた。
そんな時代に、多くの名選手が国際試合で大活躍し、国民に勇気と希望を与えたものだ。
それが今は何だ。
我が国は豊かになったというのに、スポーツは弱くなった。今回のオリンピックでは、まだ一つのメダルもない。
このままではわが国の威信が著しく低下する。
いいか、必ずメダルをとれ、金メダルだ!」

ほうほうの体で殿下のもとを退出した大臣は、大慌てで国際電話で監督を呼び出した。

「おい監督!
オリンピックも終盤になったのに、我が国には一つのメダルもない。
殿下は激しくお怒りだ。
なんとしてもメダルを取れ。金メダルだ!」

「無理です。もうメダルが期待できる選手は残っていません。」

「最終日のマラソンはどうだ。
有望な選手がいると聞いているが・・・」

「入賞は期待できますが、メダルは無理でしょう。」

「何をのんきなことを言っているんだ。
金メダルが取れなければ俺は銃殺だ。お前の命もないぞ。
手段は選ばん。特務機関を使うことを許可する。
なにがなんでも金メダルを取れ!」

監督のまぶたに妻子の姿が浮かんだ。
監督は覚悟を決めた。


かくしてマラソンが始まった。

マラソンコースから少し離れた路地に、大型の猟犬を連れた男がひそんでいる。
「うまくやれよ」と男はつぶやく。
「よし、行け!」
男は猛犬を放つ。
猛犬は勢いよく走り出す。
「ガウッ ガウッ」と吠えながら、係員を巧みにかわして、優美な肉体の黒人選手に襲いかかった。

劇画でおなじみの、冷たく鋭い目をした男が、スコープを覗いている。
男は狙いをさだめてライフルを撃つ。
背の高い白人選手がもんどり打って倒れた。
足首から血が流れている。
係員が駆け寄る。
「かまいたちだ・・・」
「気の毒に・・・」

ビルの屋上に男が身をひそめている。
男は、眼下のマラソンコースをまたぐ歩道橋を注視している。
「今だ!」
男は手にしたリモコンスイッチを押す。
歩道橋上で爆薬が炸裂し、歩道橋に取り付けられた標識が落下する。
標識は小柄で精悍なアジア人選手の頭を直撃した。

給水所である。
コップが並んでいる。
選手たちは次々にコップを取る。
数人の選手が飲んだ水を吐き出し、胸をかきむしって苦しむ。
毒が入っていたのだ。

スタジアムでは、やつれた顔の監督が、特務機関からの報告を聞いていた。
強敵は始末した。
あとはうちの選手の健闘を祈るだけだ。

某国の選手は、ふらふらになりながらも、先頭でスタジアムに戻ってきた。
監督は安堵のため息をついた。
しかし、すぐ後ろに、髪の薄い白人選手が迫っている。
白人選手の走りは軽快だ。
まずい!
抜かれる!

監督は飛び上がった。
「この野郎!」 と叫びながら監督はグラウンドに飛び降りた。
制止する係員を突き飛ばし、白人選手に飛びかかり、押さえ込む・・・・
観客は総立ちで、この光景を呆然とながめているばかりであった。

「あの馬鹿・・・」
テレビを見ていた「殿下」は怒りに身を震わせた。
手にしたブランデーグラスを床にたたきつけ、叫んだ。
「大臣を呼べ!」

大臣は捕らえられ、ただちに銃殺に処せられた。
監督は、オリンピック開催国に亡命を求めたが認められず、数カ国を逃げ回ったあげくに捕らえられ、のこぎり引きの刑に処せられた。
PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

トラックバック

プロフィール

HN:
神楽坂雲如
性別:
男性

P R