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神楽坂雲如の妄想図書館

日々の妄想を書き綴った笑いと狂気のブログです。 妄想ですので本気にしないでください。

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口臭取締令

貧しい農村に生まれたクサイヤン氏は、幼少のときに両親と死に別れ、無慈悲な養父母に虐待されて育ちました。
小学生時代には級友にいじめられ、教師からもいわれのない差別を受けました。
小学校卒業後は奉公に出ましたが、強欲な雇用主にこき使われ、徹底的に搾取されました。
その後軍隊に入りましたが、悪辣な上官にいたぶられ、何度も死ぬような思いをさせられました。
しかし、クサイヤン氏は様々な苦難を乗り越えて力をたくわえ、ついには軍を掌握し、クーデターを起こして大統領になりました。

最高権力者となったクサイヤン氏が最初に発した法令は、意外にも「口臭取締令」という奇妙なものでした。
彼は「わが国から口の臭い者を一掃する」と高らかに宣言しました。
手始めに軍や政府機関から口の臭い者が追放されました。
次いで口の臭い者が公共交通機関を利用することが禁じられました。
駅の改札口やバスの乗車口には口臭探知機が設置されました。
電車やバスに乗ろうとする人は、口臭探知機に息を吹きかけなければなりません。
探知機が反応すれば、その人は乗車を拒否されます。
取り締まりは次第にエスカレートして、劇場、図書館、美術館、学校などの公共施設には、のきなみ口臭探知機が設置されるようになりました。
ついには、警察官が口臭探知機を携帯し、口の臭い者を逮捕し、投獄する事態になりました。
煙草、酒、ニンニクなどを扱う業者は破産し、かわって口臭防止グッズ業者は大儲けをしました。

なぜ大統領はこれほどまでに口臭を嫌うのでしょうか。
それは彼のつらく厳しい半生において、彼に様々な苦難・苦痛を与えた人々が、皆そろって口が臭かったからです。
彼の頭の中には口臭=悪人=敵という図式が強固に出来上がっていたのです。
そして、臭い息をかぐと、過去のつらく惨めだった頃の記憶がよみがえり、激しい怒りがこみあげてくるからでした。

そんな時、アジアのさる宗教団体から多額の寄付が寄せられました。
長く続いた政情不安のため、財政が疲弊しきっていたこの国にとって、まさに天の恵みでした。
喜んだクサイヤン大統領は、この宗教団体の代表者に、最高位の勲章を贈ることにしました。

ところが授章式で、大統領が勲章を与えようとすると、この宗教団体代表者が臭いのです。強烈な口臭を発しているのです。
幼少時から、様々な口臭に苦しめられてきたクサイヤン大統領ですが、これほど激しい口臭は初めてでした。
大統領は激怒し、その場で死刑を宣告しました。

処刑された宗教団体代表者が、天国へ行けたかどうかは不明です。

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神楽坂雲如
性別:
男性

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