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神楽坂雲如の妄想図書館

日々の妄想を書き綴った笑いと狂気のブログです。 妄想ですので本気にしないでください。

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ううじじいの死

「ううじじい」が死んだ。
路上で青年に殺されたのだという。
日頃の「ううじじい」の行状を知る者は、天罰が当たったのだと噂している。


取り調べ室にて

「あのじじいが信号を無視して道路を横断しようとしたんです。
杖を突きながらゆっくりゆっくり横断歩道を歩いていったんです。
僕の車の前で立ち止まって、背筋を伸ばして、あくびをして、またゆっくりゆっくり歩いていったんです。
僕は急いでいたのでいらいらしました。
やっと僕の車の前を通り過ぎたと思ったら、振り返って横断歩道を引き返しはじめたんです。
ゆっくりゆっくり歩いて、立ち止まって背筋を伸ばし、、、、
そうしてじじいは何度も何度も僕の車の前を行ったり来たりしました。
こちらはいつまでたっても動けません。
後ろには車が数珠繋ぎになってしまいました。
なぜそんなことをするのかわかりませんが、明らかに悪意ある交通妨害です。
たまりかねてクラクションを鳴らしたのです。
すると、じじいは怒って杖を振り上げました。
そうして僕の車を叩きはじめました。
僕はあわてて車を降りると、じじいを制止しようとしました。
しかし、じじいは車を叩き続けます。
じじいのくせにすごい力です。
制止する手につい力が入って、じじいを突き飛ばす格好になりました。
するとじじいは、ばたっと倒れて、動かなくなりました。死んでしまったのです。」


そのころ「ううじじい」の家では親族が集まって

「じじいがくたばってよかったねえ。」
「本当だよ、あのじじいにはずいぶん泣かされたもんね。」
「因業で意地悪で凶暴なひどいじじいだったねえ。」
「殺したのは金持ちの御曹司だそうだよ。」
「補償金がたんまりとれるね。」
「一生しゃぶりつくしてやる。」
「犯人の親が来たよ! みんな泣いて泣いて。」
「このたびは、、、、」
「うわーん、おじいちゃんを返せ!」
「うえーん、人殺しーーっ!」


そのころ病院では

「婦長さーーん、れれれ霊安室から、、、」
「落ち着きなさい、何事ですか。」
「声がするんです。『ううっ ううっ』と。」
「そういうことは珍しくありませんよ。私なんか何十回も経験してます。」
「やっぱり、ゆうれい、、ですか?」
「ゆうれいを怖がってちゃ病院勤めはできませんよ。」
「どうしたらいいでしょう。」
「ほっときなさい、そんなもの。」
「でも、、、、」

霊安室では死んだはずの「ううじじい」が起きあがり、
「ううっ ううっ」とうなりながらドアをあけて廊下へ歩き出した。
生き返ったのだ。
なんという強靱な生命力だろう。
病院内はパニックとなり、話を聞きつけたマスコミが殺到したが、
取材陣の質問に対して「ううっ ううっ」と怒るばかりで取材にならない。

死から生還した「ううじじい」には、もう怖いものは何もない。
前にも増して傍若無人のふるまいを続けるのであった。

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プロフィール

HN:
神楽坂雲如
性別:
男性

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